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Recombinant Virus Database

Virus Bank SOP-AdV-002

PCR法による組換えアデノウイルスDNAの高感度検出法に関する標準操作手順書

1. 目的

1.1
本標準操作手順書はPCR法による組換えアデノウイルスDNAの高感度検出法について述べたものである。

1.2
本試験で用いる組換えアデノウイルスDNA(粗抽出DNAサンプル)の調製はVirus Bank SOP-AdV-001の記載に従う。

1.4
本試験で用いるサーマルサイクラー(MJ Research, PTC-200)の詳細な取扱いは               に、デンシトグラフ(アトー, AE-6920M-03型)の詳細な取扱いは               に従う。

2. 原理

2.1
アデノウイルスベクターは、adenovirus type 5(Ad5)ゲノム中の E1 遺伝子を発現ユニットに置換したベクターである。ベクターのDNA配列には、外来性(宿主細胞ゲノムDNA配列および野生型アデノウイルスDNA配列以外)のDNA配列が存在する。そこで、発現させたい遺伝子(cDNA)のクローニングサイトの両側にプライマーを設定し、cDNAをpolymerase chain reaction(PCR)で増幅し、アガロースゲル電気泳動によって目的のサイズのPCR産物を検出することにより組換えアデノウイルスDNAを検出する。

3. 試薬類

3.1
TaKaRa LA Taq(5 U/μl)、10×LA PCR Buffer(Mg2+ Free)、25 mM MgCl2、2.5 mM each dNTP mixture(#RR002A)は宝酒造(株)、分子量マーカー1 kb Ladder(#15615-016)はGIBCO-BRL社、50×TAE Buffer(#24710-030)はGIBCO BRL社、10 mg/mlエチジウムブロマイド溶液(#15585-011)はGIBCO BRL社、アガロース(#A6013)はSigma社製を使用する。

4. PCRプライマーの調製

4.1
cDNA 増幅用のプライマーPAXCAF1、PAXCAR1はそれぞれ滅菌水に終濃度10 μM となるように溶解する。配列は以下の通りである。

PAXCAF1: 5'-GGCTTCTGGCGTGTGACCGGC-3'

PAXCAR1: 5'-CAGAGGGAAAAAGATCTCAGTGG-3'

5. 操作手順

5.1
PCR反応は以下の方法で実施する。即ち下記の組成の内、Template DNAを除いた49 μlのPCR溶液を200 μl反応用チューブに分注し、種々のTemplate genomic DNA(50 ng/μl)1 μlを添加する。下記に示すプログラムを設定したサーマルサイクラーによりPCRを実施する。なお、全ての操作において手袋を着用し、試薬類は氷上に置く。

      ●PCR溶液(1サンプル当たり)

      

      ●PCRにおけるサーマルサイクラーのプログラム

      

5.2
PCR終了後のPCR産物の検出はアガロースゲル電気泳動により実施する。泳動ゲルは以下の通り調製する。即ち、ミリQ水で希釈した1×TAE Bufferに懸濁したアガロース(1%、w/v)を電子レンジ等により加熱し、完全にアガロースが溶解したのを確認し、室温で固まらない程度まで冷却する。Mupid-2ゲルメーカーセット(アドバンス、#EM-2)にアガロースを流し込む。大プレート(W 107×L 60 mm)の場合35 ml、小プレート(W 52×L 60 mm)の場合は18 ml使用する。コーム(アドバンス、#COMB25、大プレート25ウェル、小プレート12ウェル)をセットしアガロースが固まるまで放置する。PCR産物5 μlに6×Gel-loading buffer(0.25% bromophenol blue/0.25% xylene cyanol/30% glycerol)を1 μl添加し、そのうちの5 μlをゲルにアプライして1×TAEバッファー中、100 Vで30分間泳動する。

5.3
終濃度2 μg/mlのエチジウムブロマイドを添加したミリQ水に電気泳動後のゲルを浸し、室温で5分間放置する。その後、水道水で5分間洗浄する。UV(312 nm)照射により、デンシトグラフ(アトー、AE-6920M-03型)にライブ画像を取り込み、PICTファイルとして保存する。

5.4
解析結果を以下に示す。


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2010.05.19